【完】音にならない“好き”をキミだけに。
「真白くんと楓生ちゃん、ヨリ戻したんだね!」
「あ、うん。そう。戻しました」
佐倉と話していたと思ってた女子がいきなり俺の方を向いて、そう問いかけたから驚いた。
「よかったね、真白くん。楓生ちゃんと別れてた時の真白くん死んだ人みたいだっだもんなぁ」
「そこまで酷いことは無いでしょ」
「酷かったよ!」
……自分では、そんな風に思わなくても周りから見たら、俺は相当ヤバかったらしい。
「でも、体育の時倒れた楓生ちゃんを真っ先に助けた真白くんは生きてた!」
そりゃあ生きてないと助けてあげられないからね。
そう思ったら、佐倉はすごい。俺を生かすも殺すも彼女なのだから。