【完】音にならない“好き”をキミだけに。


何を食べるかって話しになって、パスタを食べることになった。


なったのはいいんだけど、


「……」

「……」


俺と佐倉が向き合って座るでしょ。そうすると、敦弥と紫乃ちゃんも向き合って座ることになるわけで……。

気まずい。なんかもう、ただただ気まずい。


佐倉も一生懸命、紫乃ちゃんに話しかけるけど、あまりいい反応を示してくれない。


こんなこと言いたくないけど、嫌なら来なかったらよかったのに。

さすがに、敦弥が可哀想だ。


紫乃ちゃんの言い分を聞いていないから、本当は何も言うべきじゃないんだろうけど。


「しの…、」

「俺、何したのかな……」

俺の言葉を遮るように、敦弥が声を出した。


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