【完】音にならない“好き”をキミだけに。
「LINEは既読無視で、電話も出なくて。会いに行っても拒否されて。なぁ、俺、何した?」
「敦弥、落ち着け…」
怒らないんだ。敦弥は滅多に。
でも、今、俺の隣に座ってる敦弥は誰がどう見ても怒ってるというだろう。
紫乃ちゃんもビビってるから。
泣きそうだし。
「泣きたいの、俺だから。怒るなら、その理由言ってよ…」
「ちょ、敦弥!」
敦弥は鞄を持って、お店から出て行ってしまった。
紫乃ちゃんは泣き出したし、佐倉も初めて見る敦弥に驚きが隠せていない。