【完】音にならない“好き”をキミだけに。


知ってるもなにも……


「それ、真壁だ」

「えっ!?」

紫乃ちゃんより先に反応したのは、佐倉だった。

小さい声で「なんでまーちゃんが…」なんて言ってる。



その日を思い出すと、こういうことだ。





「なぁなぁ、俺さ告白されたんだけど、少し前にね。なかなか諦めてくれなくて、どうすればいいと思う?」


「お前と紫乃ちゃんが付き合ってること、知らない人いるんだ。ましてや、敦弥のこと好きな子なのに」


「それは思ったけど…。そういう子怖くない?紫乃ちゃんに悪影響及ぼされたら困るし。強い女子に彼女役してもらおうかな、真壁とか」


という具合で、話が進んだ。


ちょうど真壁も教室に残ってて、そんなことになったんだけど。

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