【完】音にならない“好き”をキミだけに。
*
日も大分落ちてきた頃、敦弥から俺のスマホに連絡があった。
『紫乃ちゃんと無事仲直り!ありがとう!』
簡単な文章と2人で撮った写真。敦弥の手には、紫乃ちゃんから貰ったと予想されるチョコレートの袋らしき物が握られていた。
佐倉にもその写真を見せると、安心したように笑った。
「あの、加賀谷くん。まだ時間ありますか?」
「うん?大丈夫だよ。どっか行きたいところある?」
「はい。ちょっと…」
佐倉は俺に行き先の場所を教えることなく、歩き出した。
少し不安なんですけど、俺。