【完】音にならない“好き”をキミだけに。





日も大分落ちてきた頃、敦弥から俺のスマホに連絡があった。


『紫乃ちゃんと無事仲直り!ありがとう!』


簡単な文章と2人で撮った写真。敦弥の手には、紫乃ちゃんから貰ったと予想されるチョコレートの袋らしき物が握られていた。


佐倉にもその写真を見せると、安心したように笑った。


「あの、加賀谷くん。まだ時間ありますか?」

「うん?大丈夫だよ。どっか行きたいところある?」

「はい。ちょっと…」


佐倉は俺に行き先の場所を教えることなく、歩き出した。


少し不安なんですけど、俺。


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