【完】音にならない“好き”をキミだけに。
*
結局、佐倉と話せれるようになったのは後夜祭が始まる少し前。
せっかくだから、人の少ない外の非常階段で花火を見ることにした。
「あの時の女の子が、白濱くんの好きな子だったんだ。それに憧れなんて嬉しいな……」
佐倉に紫乃ちゃんのことを話すと、すごく嬉しそうに言った。
俺も嬉しい。
「白濱くん…、紹介してくれるといいな」
「今頃、頑張ってるよ」
ラインで花火を見る約束は出来たって言ってたし。
俺も、紫乃ちゃんと佐倉をもう一度会わせてあげたい。
だから敦弥、頑張ってよ。