【完】音にならない“好き”をキミだけに。

それに、いつもは「そっか」と、流していたけど、聞かないと。いつまでも気付かないふりはお互いを苦しめるだけだ。


「本当は、決まってるよね？目指してる大学」

「っ」

「ちゃんと教えてほしい…」


どんな答えだって、大丈夫だから。


「県外の大学で、まだ全然レベルが足りないんだけど…っ。行きたいけど、真白くんと離れるのは嫌だ…」

「楓生、たった４年だよ」

「たったじゃないよ。４年もだよ？」


でも、その４年って、

「何年もこの先俺と一緒にいるうちの、たった４年。それなら、俺は楓生が行きたい大学で学びたいことを学んでほしいと思ってる」


ほんの数年なんだよ。