【完】音にならない“好き”をキミだけに。
だから、心配に思うことも、不安に思うこともない。
「楓生は俺から離れたら、気持ちまで離れていっちゃう?」
「なら…っ、ないっ」
泣きながら、楓生は首を何度も横に振る。
その姿はすごい可愛いなぁって思うけど、今はそれを言葉にする雰囲気でもない。
だから、俺は変わりに泣いている楓生をそっと抱きしめた。
「ずっと1人で悩ませてごめん。
でも、もう大丈夫だよ」
誰しも、離れるのは嫌だと思う。
俺だって、楓生にかっこつけて“たった4年”なんて言ったけど不安だよ。