【完】音にならない“好き”をキミだけに。
紫乃ちゃんが分からない。
俺が悪いのは、100%そうなんだろうけど、その理由が分からないから謝ろうにも謝れない。
怒っているというよりも、悲しんでいる。
の、方が正しい。
あんな風に紫乃ちゃんに言葉をぶつけたことを後悔しながら、歩いて駅に向かう。
あーあ、もう絶対紫乃ちゃんに嫌われた。
自分のせいだけど、辛い。なんか、泣きそう。
仲直りして、紫乃ちゃんが準備してくれているであろうチョコレートを食べる予定だったのに。
何一つ叶ってないじゃん。