【完】音にならない“好き”をキミだけに。
真白と佐倉にも悪いことをした。
空気を悪くだけして帰るのだから。
「…敦弥くんっ!!」
もう、俺寒さで頭おかしくなったかな。
聞こえるはずのない紫乃ちゃんの声が聞こえてくる。
「敦弥くん!」
「うわっ!」
ぐいっと引っ張られた服。
その服を掴んでいたのは、
「…紫乃ちゃん?」
大好きな彼女だった。
「もう、嫌になった……っ?」
「え?」
目に涙を溜めて、俺を見上げる紫乃ちゃん。