【完】音にならない“好き”をキミだけに。
だから、一緒に帰る度に
「白濱くん、どんな感じ?」
と、俺に尋ねてくる。
第一声がこれの時は、なかなか俺は悲しいですよ。
敦弥かよ!!
って、心の中でつっこんでる。
同じクラスだけど、佐倉と教室で話すことはほとんどない。
毎日一緒には帰らないし、下手したら朝の挨拶だけしてそのまま1日話さない。
なんてこともたまにあったりする。
でも、それでいい。
「真白は佐倉のところ一緒に来る?」
「ううん、やめとく」
「分かった」
今日の帰りの佐倉の第一声を想像したら、嬉しいような悲しいようなそんな気分になった。