【完】音にならない“好き”をキミだけに。


だから、一緒に帰る度に

「白濱くん、どんな感じ?」


と、俺に尋ねてくる。


第一声がこれの時は、なかなか俺は悲しいですよ。


敦弥かよ!!

って、心の中でつっこんでる。

同じクラスだけど、佐倉と教室で話すことはほとんどない。

毎日一緒には帰らないし、下手したら朝の挨拶だけしてそのまま1日話さない。

なんてこともたまにあったりする。

でも、それでいい。

「真白は佐倉のところ一緒に来る?」


「ううん、やめとく」


「分かった」


今日の帰りの佐倉の第一声を想像したら、嬉しいような悲しいようなそんな気分になった。


< 26 / 235 >

この作品をシェア

pagetop