【完】音にならない“好き”をキミだけに。
「白濱くん!!おめでとう!!」
たまたま、一緒に帰る約束をしていた放課後。
久しぶりに見る極上の笑顔を向けながら俺の席に来て、いつもより少しだけ大きな声を出して佐倉は言った。
「……俺に言うんですね」
「うん!すっごい嬉しい」
「敦弥にもちゃんと言った?」
「当たり前だよ!今度、4人で遊ぶ約束もしたの!」
……俺の了解なしにですか?
まぁ、いいんですけどね。
だって、他でもない佐倉のお願いなんだから。
「楽しみだね」
いつ遊ぶか、どこに行くか、
具体的なこと何一つ決めてないのに、佐倉は嬉しそうに言うんだ。