【完】音にならない“好き”をキミだけに。


「そうなんだ」


「適当に流そうとするな!俺の頼みじゃなくて紫乃ちゃんの頼みだからね、分かってるよね?あと、佐倉は喜ぶと思うけど」


こらこら、敦弥くん。

その単語は反則だろうよ。

俺との会話に“佐倉”を多用するな。

「……はぁ。分かったよ。
佐倉に言っとく」


敦弥はニヤッと笑ってお礼の言葉を述べた。


……佐倉と紫乃ちゃんが喜ぶからだから。

決して、敦弥のためとかじゃないから。

そこ、絶対勘違いして欲しくない。


と、今もなお笑っている敦弥を見て、思う俺でした。


< 33 / 235 >

この作品をシェア

pagetop