【完】音にならない“好き”をキミだけに。
「そうなんだ」
「適当に流そうとするな!俺の頼みじゃなくて紫乃ちゃんの頼みだからね、分かってるよね?あと、佐倉は喜ぶと思うけど」
こらこら、敦弥くん。
その単語は反則だろうよ。
俺との会話に“佐倉”を多用するな。
「……はぁ。分かったよ。
佐倉に言っとく」
敦弥はニヤッと笑ってお礼の言葉を述べた。
……佐倉と紫乃ちゃんが喜ぶからだから。
決して、敦弥のためとかじゃないから。
そこ、絶対勘違いして欲しくない。
と、今もなお笑っている敦弥を見て、思う俺でした。