【完】音にならない“好き”をキミだけに。
「加賀谷くんとまーちゃん仲いいよね!」
「そーか?俺、嫌われてる気もするけど……」
他のクラスメイトのところに行ってしまった真壁を目で追いながら、佐倉は言った。
「嫌ってないよ!……多分」
多分ね……。
“彼氏”の俺の立場から言わせてもらうならば、嬉しそうに仲いいよねと言われるとヤキモチ妬いてくれねーのと悲しくなります。
……が、それが佐倉なので大丈夫です。
ヤキモチ妬くのも、ちょっと悲しくなるのも俺だけだけど
「でもね、加賀谷くんの1番仲いい女の子はわたしがいいな~、なんて思ってますのです」
無自覚でこんなことを言う佐倉は最高に可愛いと思います。
恥ずかしさを紛らわすために、日本語がおかしくなってるところも可愛い。
「俺も佐倉の1番仲いい男の子は俺がいいな~と思いますのです」
「日本語おかしいよ、加賀谷くん」
真似したんだよ、佐倉さん……。