【完】音にならない“好き”をキミだけに。




昼休み、敦弥との約束通り4人で弁当を食べるため、中庭へと来ていた俺。


そんな目の前に広がった光景に開いた口がふさがりません。


「紫乃ちゃん!」


「楓生先輩!」


何で名前呼び合う仲になってんの……。

佐倉が紫乃ちゃんのことを名前で呼んでたのは知ってたけど、まさか紫乃ちゃんが佐倉のことを“楓生先輩”と呼んでいるなんて。

俺でもまだ呼べないのに。


「紫乃ちゃんと仲良くなったんだって。
真白はいつまで佐倉なんでしょうね」


俺の考えてたことが分かったるのか、笑いながら言ってくる敦弥の足を蹴った。


痛そうにする敦弥を無視して


「佐倉、お弁当食べよ」


ちょっとだけ“佐倉”を強調して言った。


紫乃ちゃんも分かってるのか、笑ってた。


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