【完】音にならない“好き”をキミだけに。
「加賀谷くん、よかったら明日映画見に出かけませんか?」
「それは、デートのお誘い?」
「……っ、うん。ダメ?」
……ダメなわけないじゃん。
予定が入ってたとしても、断ってまで佐倉と映画行くに決まってる。
いつまで経っても“デート”という一言を使わない佐倉のことを、俺はまた可愛いと思うのです。
「映画以外に、やりたいことある?」
「んー、とくにはないかな!加賀谷くんは?」
「あ、文化祭で使う道具買いに行きたいかも」
「じゃあ、買いに行こう」
ふわっと笑う。
その瞬間、好きだと思う。