【完】音にならない“好き”をキミだけに。


「あの……」

「ダメ。絶対、ダメ」

「なんで⁉彼氏だからってそこまで縛るってどうなの……」


菫ちゃんは俺がダメっと言うのは予想していなかったのか少し怒ったように感じる。


「週末は俺と予定あるの」

「加賀谷くん?」

「だから、今回は佐倉は不参加で。また誘ってあげて」


男がいるとか嫌だけど……。

すっごい嫌だけど、そこを縛るほど俺は腐った男じゃない。


佐倉のこと信じてるし…。

だけど、今回は不参加にさせてよ。


「じゃあ、俺たちは帰るね」

菫ちゃんから無理やり引きはがすように佐倉の手を握って歩き出した。


「か、加賀谷くん…!
約束なんて、してないよね…?」


してないよ。まだ、してない。

しようとしたところに菫ちゃんが来たんじゃん。

って、悪いのは二日前になったのに誘っていない俺なんだけど。


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