【完】音にならない“好き”をキミだけに。
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おはようございます。
日曜日、天気は快晴。
絶好のデート日和です。
……が、今俺は猛烈に焦っています。
結局、どこに行くかとか決めてなくて夜通し考えていたら寝坊した。
プレゼントだけは考えたんだけど…、こんなんで喜んでくれるか最強に不安です。
「真白、送って行ってあげようか?」
ノックもせず部屋に入ってきたのはねーちゃん。
いつもはノックをしないことを怒るんだけど、今日はそんな暇もないし神のような言葉を言ってくれる姉に心から感謝します。
「ありがと!」
「楓生ちゃんに嫌われたら可哀そうだからね」
佐倉はあなたと違って優しいから嫌わないだろうけどね。
そう思ったが、言うと送ってくれなくなりそうなので我慢。
「本当にプレゼントそんなんあげるの?
普通はさネックレスとか指輪とかなんじゃないの?」
ねーちゃんは車のエンジンをかけながら、俺が手に持ってるプレゼントを見る。
「昨日の夜相談した時はいいんじゃない?とか言ってたくせに」
「わたしなら絶対嫌だけどね」
おい、ふざけんなよ。
一応、女の意見を聞きたいと思い昨日の夜、あげると決めたプレゼントのことを相談してた俺。