【完】音にならない“好き”をキミだけに。


「おはよう、加賀谷くん!」

「……佐倉、はい」

背中に隠していたプレゼントを佐倉の目の前に出す。


反応が怖くて目が開けれねえ…。


「え…っと」

「1年記念日…だから、あの…」

「嬉しい。バラ…貰ったの初めて」


そう、俺が佐倉にプレゼントいたのは一本のバラ。


「バラの花言葉知ってる?」

「花言葉?」

「うん。赤いバラの花言葉は


——あなたを愛します。」


……うわ、恥ずかしい。


真っ赤に染まっているであろう自分の顔を、手に持ったままのバラで隠した。


「ありがとう、加賀谷くん……」


そっと見た、佐倉の顔は俺と同じくらい真っ赤になっていた。






——1年間、俺のそばにいてくれてありがとう。これからもよろしく。


バラに添えた俺からのメッセージ。





< 52 / 235 >

この作品をシェア

pagetop