【完】音にならない“好き”をキミだけに。
003*デコレーションで伝えます。
#1
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12月の初め、期末テストを来週に控えた今日、
「分かるかな?もう一回説明しようか?」
俺は佐倉に勉強を教えてもらっていた。
大の苦手科目である英語を佐倉に教えて貰ってるんだが、とっても丁寧でかつ分かりやすい。
……感謝します。…が、
「正解!加賀谷くんすごいね」
机をくっつけて隣同士に座ってる為に距離が異常に近い。
何も考えていない佐倉は、気にせずその至近距離のまま天使のような笑顔を見せる。
思春期の男なんですよ、俺もね。
好きな女の子を目の前にして何もしないっていう自信は……
「加賀谷くんとこうして一緒にいれるの嬉しい。勉強は嫌だけど、時間が増えるならずっとテスト週間がいいかも。なんてねっ!」
……あります。
というかこんな純情な女の子を俺が汚していいわけない!!