【完】音にならない“好き”をキミだけに。
頑張れ、俺。
耐えろ、俺。
「えへへ、幸せ」
………耐えれるのか、俺。
こんなことばっか思うから、テストで変な点数とるんだよ。
佐倉は純粋に勉強を教えてくれてんの!
俺はバカなこと考える前に英単語のひとつでも覚えなさい。
佐倉の可愛さに悶えながら必死に英文を理解してる時、ガラッと音を立てて教室のドアが開いた。
入ってきたのは担任で、教室には俺と佐倉しかいないからなんとも気まずい空気が流れる…。
「電気ついてると思ったらお前らいたんだ」
「うん。真面目に勉強中。
先生は何してんの?暇なの?」
「大変だな、佐倉。バカな彼氏で……」
失礼だな、おい。
担任は去年先生になったばかりで、俺達と年齢が近い。
だからつい敬語を抜いてしまう。