【完】音にならない“好き”をキミだけに。


「何手伝いって…、俺何もしないよ?」


「そんな大変なことじゃねーから。ただ、終業式の日に俺の担当教室の掃除を手伝ってもらうだけだから」


「終業式の日って……、クリスマスじゃねーか!!」


嫌だ嫌だと叫ぶ敦弥に、選択肢はないなと悟った俺でした。


自業自得だよな……。


担任のことバカにして、そのままで済むとは思わねーし。


「マジで許してくださいっ!イブは1日中学校だし、クリスマスは午前中学校だし。時間ねーじゃん…」


「柴乃ちゃんに謝っとくんだな。ちなみに全部完璧に終わるのは夜の6時くらいだ」


ドンマイ、敦弥。

……ちなみに俺は、まだ佐倉のことを誘えてない。


クリスマスは1年記念日の時みたいにならないようにしようと思ってたのにこれだ……。


クリスマスまであと一週間。


俺はいつ佐倉のことを誘えるだろうか。



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