【完】音にならない“好き”をキミだけに。
#2
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クリスマス当日——
「真白!!俺を差し置いて、お前は佐倉と遊ぶんだな!?」
「遊ぶね。お疲れさま、敦弥」
「薄情者~~~!!!」
次々とクラスメイトが帰っていく中、敦弥の叫び声が教室中に響いた。
「……大変そうだね」
気の毒そうな顔をした佐倉が俺の席にやってきた。
「そんな顔してやらなくていいよ。悪いのは敦弥だしね」
「柴乃ちゃんがちょっと可哀想かも……。クリスマスなのに少ししか会えないって悲しんでたから」
確かに柴乃ちゃんのことを考えたら可哀想だな。
付き合って初めてのクリスマスなのに、バカな敦弥のせいで遊べないんだから。
「これを機に敦弥も反省したらいいけどな」
「そうだね…」
「まあ、俺たちは楽しもう!」
「うん!」
付き合って2回目のクリスマス。
去年のことは、付き合ったばっかりで緊張してあんまり覚えてない。
でも、楽しかった記憶はある。