【完】音にならない“好き”をキミだけに。
*
「どうして加賀谷くんが作ったら、サラダがサラダじゃなくなるんだろう……」
「俺にもちょっと分かりません」
佐倉と一緒に料理を作り始めてすぐ、自分の不器用さに驚きを隠せない。
「サラダって、レタスを手で千切ってトマトを切ってのせるだけなのに……」
「地獄絵図みたいになってるのはどうしてだろうな」
「た、食べれれば何でも一緒だよ!」
一生懸命に俺のフォローをしてくれる佐倉が、天使過ぎて俺どうしたらいいか分かりません。
可愛い、本当に可愛すぎる!!
「座ってていいよ。わたしあとやるから」
「……よろしくお願いします」
手伝うと余計に佐倉の仕事を増やしてしまいそうなので、大人しくキッチンの前にある椅子に座ることにした。
ここなら佐倉が料理してるところ見れるし、邪魔にならないし。
うん、最高のポジション。