【完】音にならない“好き”をキミだけに。





「どうして加賀谷くんが作ったら、サラダがサラダじゃなくなるんだろう……」


「俺にもちょっと分かりません」


佐倉と一緒に料理を作り始めてすぐ、自分の不器用さに驚きを隠せない。


「サラダって、レタスを手で千切ってトマトを切ってのせるだけなのに……」

「地獄絵図みたいになってるのはどうしてだろうな」

「た、食べれれば何でも一緒だよ!」


一生懸命に俺のフォローをしてくれる佐倉が、天使過ぎて俺どうしたらいいか分かりません。


可愛い、本当に可愛すぎる!!


「座ってていいよ。わたしあとやるから」


「……よろしくお願いします」


手伝うと余計に佐倉の仕事を増やしてしまいそうなので、大人しくキッチンの前にある椅子に座ることにした。


ここなら佐倉が料理してるところ見れるし、邪魔にならないし。


うん、最高のポジション。


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