【完】音にならない“好き”をキミだけに。
それから1時間ほど経った。
テーブルの上には佐倉が作った料理の数々が並んでいる。
「……天才ですか、佐倉さん」
「大袈裟ですよ、加賀谷くん」
大袈裟じゃないと思う。
チキンにサラダにスープにポテト。
クリスマスの定番料理が机の上にきれいに置かれていた。
だけど、佐倉が作った料理の中、ポツンと俺のサラダが置いてあって少し申し訳なく感じた。
「……加賀谷くんの作ったサラダが一番美味しそうだね」
「笑うの我慢しながら言われても嬉しくないですけどね」
「本当に思ってますよ」
さすがに信じられませんよ。