【完】音にならない“好き”をキミだけに。


でも佐倉は言うんだ。


「加賀谷くんが2人のために作ったものなら、わたしは一番美味しいく感じられるんだよ。例えそれがサラダだったとしてもね」


笑いながら佐倉は言う。


俺の大好きな笑顔を見せながら。


「じゃあ俺は佐倉が作った料理を一番美味しく感じるよ」


「嬉しい。……あっ!!」


「なに!?」


突然大きな声を出した佐倉。


さっきのバカップルムードはどちらへ……。


「ケーキ!!クリスマスなのにケーキがないよ!」

「……ケーキね。ふっ」

「なんで笑うの!?今から、買いに行って残りあるかな……」

「心配しなくても大丈夫だよ」


この世の終わりのような顔をして、悲しがる佐倉を見て思わず笑ってしまった。


だって、可愛すぎませんか、俺の彼女。


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