【完】音にならない“好き”をキミだけに。


ピンポーン——


突然鳴った呼び鈴。


「待ってて、佐倉」

「あ…、うん」



一つの箱を持ってリビングに戻ってきた俺を見て佐倉は驚いた声を上げた。


だって、その箱は


「……もしかして、ケーキ?」

「正解」

「なんで?」

「なんでって…従妹がケーキ屋でバイトしてるから注文してたんだよ。だから、佐倉が心配しなくてもケーキは食べれるから安心して」


元々ケーキは俺が準備するつもりだった。


母さんから従妹がケーキ屋でバイトしてるのを聞いて、ダメ元でクリスマスの日に配達出来るか聞いたら快く引き受けてくれた。


< 70 / 235 >

この作品をシェア

pagetop