【完】音にならない“好き”をキミだけに。
もしも、佐倉が1人で苦しむようなことがあれば、俺はその苦しさを少しでも楽にしてあげたい。
「だから、少しでも嫌なこととか悲しいことあったらちゃんと言って」
佐倉が笑ってなきゃ嫌なんだよ、俺。
「ありがとう、加賀谷くん。
加賀谷くんも言ってね。わたしも頑張るから」
「うん、ありがとう」
佐倉の笑顔は、恥ずかしいけれど俺の力の源になってて、その笑顔が消えることがあれば俺の笑顔も消えてしまうんじゃないかって思ってしまう。
なにこれ、自分すごい重い……。
「あ、そうだ!文化祭でいるもの買うんだよね?」
「そうだった。買う、買う。行こう」
佐倉の手を離さないように、彼女の手をギュッと握った。