【完】音にならない“好き”をキミだけに。





「佐倉、一緒に帰ろう」

「うん。帰ろっか」

授業が終わって、帰宅時間になった。


俺は佐倉の元へ駆けつけ、一緒に帰る約束を結ぶ。


『帰らない』

と、言われなかったことにホッとした自分に笑った。


「佐倉、ちょっといいか?」

教室を2人並んで出ようとしたところで、担任が佐倉を呼び止める。


「ごめん、加賀谷くん。やっぱり先に帰っててもらってもいいかな?」


「いいよ、待ってる。教室にいるから」


「ありがとう」

うん、やっぱり佐倉の笑顔は可愛い。


教室からどんどん出ていくクラスメイト達。

とうとう最後の一人のなってしまった。


教室の窓からグランドが見える。

野球部やサッカー部が練習してるのが見えて、同じクラスの人もいてなんかすごいなって思った。


一生懸命声を出して、走って、汗流して、かっこいい。


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