戦国ゴーストと妖退治


「死ねぇぇぇ!」




地を這うような声。
ナイフを振りかざした男が瀬名くんに向かって腕を振り下ろそうとする。



ダメ――――!!!



私はとっさに身体を動かすと、男に体当たりをした。
吹き飛ばすつもりだったけど、ビクともしない。

それでも、男の動作は止めることができた。





「ぐ、ぐぁぁぁぁぁっぁぁ!!!」




突然、男が酷く苦しみ始めた。
え!?
ビクッとして身体を離すと、男の身体から煙のようなものが上がる。



そして、しゅぅぅぅぅぅという音と共に、男から妖の気配が抜けた。





「え・・・?なにこれ・・・」




突然の出来事に首をかしげる。
男はぐったりとその場に倒れこみ気を失っている。



なにが起きたの・・・?




「お前・・・なにした?」

「・・・え、私!?」



え、私のせい?
なにしたって、なにもしてない・・・。

え、何かしたの?




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