戦国ゴーストと妖退治


「おい、あまり勝手に離れるな」

「ごめんなさい・・・」

「いや、無事だったなら良かった」


はせちゃんのところに戻ると、はせちゃんはホッとしたように肩をおろす。
瀬名くんの身体ははせちゃんに膝枕されていた。


これ、瀬名くん気づいたら怒るだろうなぁ・・・。
なんともおかしな光景だ。
普段だったら絶対にありえない。




「あっちも、終わったみたいだぞ」

「あ・・・」





そう言われ見ると、妖の姿は消え信長さまがこちらに向かってきているところだった。




「信長さま、大丈・・・って、どうしたんですか、その腕!」

「少し油断してな・・・。妖の妖気にやられたんだ」

「妖気にって・・・」

「どうしたんだ?」

「あ、信長さま少し、怪我しちゃったみたいで」



そうだ、はせちゃんはユーレイである信長さまは見えないんだ。
私が説明するとはせちゃんは驚いたように目を見開いた。


「ユーレイも怪我するのか」

「怪我っていうか、・・・怪我みたいなものみたい」




痛いのかな、右腕の一帯が黒く変色してしまっている。




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