戦国ゴーストと妖退治
「どうでもいいけど、さっさと済ませて帰るよ」
「・・・もちろん。私だってさっさと済ませたいし」
私だって不服だってことをちゃんと言っとかないと。
少し早くなった歩く速度に慌てて追いつくように小走りになる。
「とりあえず、今日買う物は、装飾するものだよね。リボンとか、テーブルクロスとか、どんなものかは一任してくれるみたいだけど・・・。だから女の子も一緒っていってたのかな」
「・・・女の子?」
「おんなのこ!」
しっつれいな奴!
知ってたけど。
「ぷっ、自分で言うんだ」
可笑しそうに噴出して笑った瀬名くんの顔に、思わず見惚れた。
見惚れて、息が詰まる、なにこれ・・・。
「なに呆けてんの」
「えっ、あ、ごめん」
ハッとして慌てて歩きを進める。
いけない、ボーッとしてた。
あんな風に笑うの多分、初めて。
あれ、見たっけ。
どっちにしても、あんな笑顔は初めてだ。
だからだ。
こんなにドキドキしているのは。