戦国ゴーストと妖退治
「瀬名くん!」
「・・・」
「待って、瀬名くん!」
私の呼びかけに数回目でようやく立ち止まってくれた。
瀬名くんはムスッと顔を顰めている。
「どうしたの?お父さん、すごく心配してたよ」
「・・・白々しいんだ、あいつ。今更遅いんだ」
「え・・・?」
「・・・なんでもない。いいからあんたも自分の親のところ行けよ」
どうしちゃったのよ・・・。
突き放すような言葉に私は戸惑う。
その後、私たちを追いかけてきたお母さんたちも追いつき、それぞれ家に帰ることになった。
最後にちらっと見た瀬名くんは、むすっとした表情のままお父さんに連れられて行ってしまった。
「すず。帰りましょう」
「うん・・・」
少し、近づけたと思ったのにな。