戦国ゴーストと妖退治
「え、あの・・・」
「それがさ。俺、この前人とぶつかっちゃってさ、お互い怪我はなかったんだけど、相手の手鏡が鞄から落ちたみたいで壊しちゃって・・・。それを買って返すって言ったんだけど、どれを選んだらいいかわかんなくて、一緒に選んでくれない?」
「え、私が・・・?」
「うわ、時枝、そういう事かよ!そういうつもりないって、そういうつもりじゃねぇか!」
「バカ!違うよ!変な事言うなよ!清宮さん、困るだろ!」
からかうような周りの声に、顔を染めて反論する時枝くんが新鮮で可愛い。
私で役に立てるなら・・・、そう思って私は頷いた。
「私でいいなら、付き合うよ」
「ほんと?助かる!ほんと、どれ選んだらいいか、迷っててさ!ありがとう!」
ホッとしたような時枝くんの表情に、力になれてよかった。
その時はそう思ってただけだった。
でも、後から考えて、それってまるでデートみたい!?
なんて思っちゃったもんだから、その後当日まで気が気じゃなかった。