戦国ゴーストと妖退治
でも、そうだ・・・。
私も、時枝くんに借りたハンカチ、返してない。
時枝くんは、こんなにも紳士な対応なのに。
私、もう少し持ってたいって思ってずっと持ち続けてる。
時枝くんが持ち主だってわかってからも、結局返してないままだもん。
誠実な時枝くんの行動を知って、私もちゃんとしなくちゃって改めて思った。
「時枝くん、私もずっと借りっぱなしのハンカチ、ちゃんと返すね」
「え?・・・ああ、前言ってたやつ?でも、俺も覚えてなかったようなハンカチだし、別にいいんだけど」
「ううん。ちゃんとしたいの。学校に、持っていくね」
「わかった。ありがとう」
こんなに優しい人だったんだね。
そりゃ、そうだよ。
見ず知らずの女の子にハンカチを差し出してくれるような心の持ち主なんだもの。
「でも、ぶつかったときは最悪だって思ってたけど、そのおかげで清宮さんとデートができたから、結果的にラッキーだったかも」
「えっ、や、やだ、時枝くんってば」
サラッとそんな事を言われ、照れて顔が赤く染まる。