戦国ゴーストと妖退治


「時枝くん。遅くなってごめんね。あの時は本当にありがとう。これ、あの時のハンカチ・・・。ありがとう」




月曜日。
お昼休みに入ってすぐ時枝くんを呼び止めお礼を言ってハンカチを返した。
結局答えは見つからなかったけど。
ハンカチは返さなくちゃ、そう思って。



「ああ、よかったのに。わざわざありがとう」

「長いこと持ったままでごめんね」

「ううん。俺も忘れてたくらいだし、気にしないで」




そう言ってもらってホッとする。
時枝くんは私が袋に入れて渡したハンカチを、受け取り、そっと中を確かめる。




「・・・あれ?これ、俺のじゃないよ」

「え・・・?」

「うん。こんなの、俺もってないし、俺のじゃない」

「え、でも・・・。前ハンカチを貸したって」




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