戦国ゴーストと妖退治
「ああ、うん。それは事実だし、そのハンカチは多分戻ってきてないのも本当だけど・・・。でも、このハンカチじゃないよ。だから、清宮さんが借りたのは他の人じゃないかな」
「嘘・・・。でも、TKって、イニシャル・・・。時枝くんと一緒だし、そうかと思ってた野に」
「ほんと、偶然だね。びっくりしたよ」
笑って時枝くんはそう言った。
時枝くんじゃなかったんだ・・・。
少なからずショックを受ける。
走だって信じてて、すごく舞い上がってたのに。
ようやく会えたって、運命だって・・・。
想ってたのに、違ったなんて・・・。
「じゃあ、これ。返すね・・・」
時枝くんがハンカチをいれていた袋の上に置いて私に差し出す。
私はがっかりした気持ちでそれを受け取ろうと手を伸ばした。
「―――んで、なんでそれをお前がもってるんだ」
突然、荒っぽい声が聞こえてきて手が止まる。
その声は、私たちの方へと向けられていて。