戦国ゴーストと妖退治


「俺の家臣を愚弄した落とし前はつけねばならん。だから、俺はその妖を見つけ出し、この手で葬り去る」

「・・・それが、信長さまが妖と戦う理由だったんですね」

「だが、500年もたったという。もしや、もう消え失せているかもしれんと思っていたが・・・」




考え込むようなしぐさ。
明智光秀に憑りついた妖と、瀬名くんのお母さんの事件を起こした妖。

その共通点は、青白い光。




「もし・・・、もし、その妖が俺の母さんを殺した妖と同じなら・・・」

「その可能性は、ある。あれの他にあのような青白い光を放つ妖に出会ったことはないからな」

「・・・俺の、目指してるのも、その妖だ」





瀬名くんの瞳が、憎悪に揺れる。
お母さんを殺した妖への復讐。


瀬名くんが、ここまで必死に妖を追う理由も、そこにあったんだ。




心を閉ざして。
誰とも関わらず、笑おうともせず。


ただ、復讐のために生きてきたの?




それって、すごく、悲しいよ・・・。




でも、辛い気持ちはわかる。
どれ程の絶望かまでは、ちゃんとわかってあげられないけど。


そこまで、絶望して恨みに胸を焦がして。
そうなってしまう理由は、わかる。




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