戦国ゴーストと妖退治



「私だって、自分でよくわかんな・・・」




そう言って顔をあげた瞬間、大きな物音が響いた。
同時に悲鳴が上がる。



「え・・・?」



突然の騒動にやよいと顔を見合わせる。
次に聞こえてきたのは怒鳴り声だった。




「あれは、あの男の声ではないか」

「え・・・」

「瀬名」

「―――えっ!?」

「?すず?」



ハッとして声をあげた私に、やよいが不思議そうな顔を向ける。
私はそれに構わず走りだした。



瀬名くんの怒鳴り声だなんて、いったい何が・・・?



なんとなく、その相手がわかるような気がして胸が騒いだ。
どうか、違っていて。


そう願いながら。




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