戦国ゴーストと妖退治
瀬名くんの、辛そうな苦しそうな姿。
あんな姿、見たくなかった。
事情を知っているし、あの水原先生の態度を見て私は、瀬名くんの事を責めるなんてできない。
「止められなかった・・・」
それが悔しい。
もっと、私が気を付けていれば。
瀬名くんがああすることくらい想像ついた。
瀬名くんは、ずっとずっと、あの妖を追い求めてきたんだから。
「すずは止めたんだよ。すずが飛び込んで、気を失った時、瀬名くん呆然と立ちすくんでた。水原先生に向けてた殺気みたいなのも、消えてたよ」
「・・・違う、私は、きっともっと早くにとめられたはずなの。あんな風に、瀬名くんを追い詰めたのは、私だ・・・」
「すず・・・?」
ポロポロと溢れる涙がとめられない。
瀬名くんがどんな気持ちで。
「私、行かなきゃ」
「え、すず?」
「少しでも、瀬名くんの処分が軽くなるように、私も話をしてくる!」
せめて、私の件に対する処分だけは・・・。