戦国ゴーストと妖退治
「なんの、ため・・・。僕の知識欲を満たすため・・・。ええ。そうです。そうですよ。そのためです」
自分にそう言い聞かせるかのように何度もつぶやく。
様子が、変・・・?
「・・・そんなことはどうだっていいんだ。早く、実験を始めなければ」
「実験・・・?」
「ええ。あなたの身体を使った、人体実験ですよ」
ゾクリと背筋が凍る。
なんなの、この人、怖い―――――。
「まずは、あなたの力をこの目で確かめなくては」
そう言った水原先生が部屋の奥から大きな黒い布がかけられた四角い箱のようなものを持ってくる。
私の目の前に持ってきたそれの黒い布をはぐと、その中には妖が入れられていた。
「ヒッ、」
不気味なそれに悲鳴を上げ身を捩る。
水原先生は口元に笑みを浮かべながら籠の中からその妖を掴みだした。
ギリギリまで弱らせているのか、ピキピキと甲高い声をあげながら抵抗している妖。
でも、水原先生の腕からは逃れられないようだった。