戦国ゴーストと妖退治


必死で暴れて、椅子と一緒に地面に倒れる。
頭を床にぶつけ、怪我をした頬に響いた。




「あ―あ、縄の跡残っちゃいますよ」

「・・・こないで!・・・嫌!いやっ!」



ガタガタと床と打ち付け音を立てる椅子。
水原先生は一人冷静で、余計に怖い。



こっちに伸ばされる手が私の腕を掴む。




っ、やだ。




「ああ、これを注入してどうなるのか。その実験の結果をこの目で見ることができるなんて」

「・・・ひっ、」

「どうなるかわかりませんし、あまり叫ばれて邪魔されるのは不本意なので、口も塞ぎますね」



まるでただの世間話のような口調でそう言うと、私の口にタオルを巻きつけきつく縛った。
ポロポロと溢れだす涙。

信長さまの忠告を聞けばよかった。

一人で来るんじゃなかった。




「んん――――!」






腕に、針が差し込まれる―――――――。





< 312 / 414 >

この作品をシェア

pagetop