戦国ゴーストと妖退治
「清宮に、なにをした」
「妖から採取した妖気を体内に注入したんですよ」
「妖気をだと?」
「触れたものを浄化することはわかっていますから。体内に入ったものがどうなるのか、知りたかったんですよ。ですが、そろそろ・・・」
水原が興味深そうに目を細めた。
清宮の動きが次第と鈍くなっているのを感じる。
清宮の身体に纏う黒い靄も次第と薄れていっているように見えた。
「ああ、すばらしいですね。ちゃんと浄化されている。体内の妖気も浄化できるみたいですね」
「そんな事を知って、どうするつもり」
「言ったでしょう。僕には野心があるんです。そのために、行動しているんですよ」
「野心ってなに」
清宮の身体から力が抜けたのを確認し、縄を外しながら水原に問う。
「野心、それは・・・」
言いかけた時、水原の表情が一瞬なにか痛みを耐えるように歪んだ。