戦国ゴーストと妖退治


「そんな事、なんだっていいでしょう。彼女を少し診させてください」

「は?」

「脈とか正常かどうかを診るだけですよ。言ったでしょう、別に傷つけるつもりはないと」

「こんなことしておいて、傷つけるつもりないなんて言わせない。絶対に、お前の事許さない」




そう言って睨みつけると、その視線をうっとおしそうに見やり、すぐに清宮に視線を移した。




「・・・どこも問題はないと思いますよ。僕も、興味深いものが見れて満足です。ありがとうございました」




悪びれもせずそう言うと立ち上がる。




「俺は、同期としてお前の事もっと知りたいって、近づきたいって思ってたよ。お前は取っ付きにくくて、何考えてるかわかんないやつだったけど。教師としてはしっかりしてるやつだって思ってた」

「買いかぶりすぎだよ」

「ああ。そうだったみたいだな。・・・教師としても人としても、お前のしてることは間違ってる。でも、お前には俺たちのそういう声も、届いてはいないんだろ?」





教師としての水原・・・。
教え方は確かにうまかったし、生徒に対しても深く干渉はしないが突き放したりはしない。
質問をしてきた生徒には紳士に受け答えしていたし

こんな風に、自分勝手な一面があるなんて思わない。



「・・・う・・・」

「あ、おい」

「・・・瀬名・・・くん・・・?」




ぼんやりとした瞳が俺を捕え、かすれた声で俺の名を呼ぶ。
目を覚ましたことにホッとし息をつく。




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