戦国ゴーストと妖退治
「とりあえず、帰らなきゃね。身体もなんともないし。瀬名くんも、あまり他の先生とかに見つかったら大変でしょ?」
「まあ、そりゃ・・・」
ベッドから降りて、持ってきてくれたんであろう私の荷物を持って保健室を出た。
保健室を出たところに信長さまが立っていた。
「信長さま!こんなところにいたんですか」
「・・・そこにいんの?」
瀬名くんの問いに私は頷いて答える。
神妙な顔をした信長さまは、私の姿を見ると壁にもたれていた体を起こした。
「すず、お前を危険な目にあわせてすまなかった」
「え・・・」
「俺は、なにもできなかった。・・・すまん」
信長さまが頭を下げる。
私に謝るなんて、今までそんなことしたことないのに。
それに・・・。
「なに言ってるんですか。私を助けてくれたのは信長さまです。信長さまが瀬名くんに知らせてくれなかったら、私きっと・・・」
「助けられていないだろ。俺たちが行ったときにはお前はもう妖気を身体の中に入れ込まれてて、水原の思惑は成し遂げられてたんだ」
そう言ったのは瀬名くん。
悔しそうに眉を寄せ、ぐっと拳を握りしめていた。