戦国ゴーストと妖退治
「でも、・・・でも、目を覚ました時にいたのが、まだ水原先生だったら、私きっと怖くて正気じゃいられなかったと思う」
今思い返しても身体が震える。
それくらい怖かった。
「今、ちゃんと立ってて、こんな風にいられるのは、やっぱり信長さまが瀬名くんを呼んでくれたからで、瀬名くんが私を助けに来てくれたからだよ」
「すず・・・」
「ありがとう・・・っ」
思わず零れた涙。
信長さまの手が私の頭を撫でた。
温もりの感じないその手。
触れているけど、触れていないようなその手だけれど。
それでも、凄く暖かかった。
「長谷川にも、礼言わないと」
「え、はせちゃん?」
「あいつも、協力してくれたから。仕事の方に戻ってもらったから今はいないけど」
「そっか・・・」
瀬名くんの言葉に、私は肩を落とした。
はせちゃんにまで迷惑かけちゃった・・・。
私の浅はかな行動のせいだ・・・。
はせちゃん、きっと傷ついた。
水原先生があんなことしたって・・・。