戦国ゴーストと妖退治
「清宮!」
肩を落としていた私のところに、パタパタと廊下を走る音が聞こえてきたと同時に私の名前を叫ぶ声が聞こえた。
「え、はせちゃん!?」
慌てた様子のはせちゃんがこちらに走って向かっている。
「俺たちには廊下は走るなっていうくせに」
「わ、悪い、でも・・・、気が気じゃなくてその・・・」
瀬名くんに指摘され、苦笑しながら心配そうな視線を私に向ける。
「ごめんなさい、はせちゃん・・・。私のせいで・・・」
「どこも痛くないか?立ちくらみとか、変なところは」
「・・・ない」
「そうか・・・、あーよかった。ホッとした・・・。仕事が手につかなくってさ。瀬名は全く状況報せに来ないし・・・」
はせちゃんが両ひざに手を置いて大きな息を吐いた。
そんなに心配してくれてたんだ・・・。
「ありがとう、はせちゃん・・・」
「なに言ってんだ。お前らは俺の大事な生徒だから当たり前だろ」
にっこりと笑って当たり前に言うはせちゃん。
はせちゃんは、教師の鏡だね。