戦国ゴーストと妖退治


「あんたに、託すよ。あの刀」

「え・・・?」

「もう、俺はいい。復讐はしたい・・・。でも、もういいって思えたから」

「夾くん・・・」



ずっと、ずっと、復讐するために妖と戦ってきた。
夾くんの想いを、過去を知ってしまったから、それがどれほどの決断なのかわかる。



「本当に、いいの?」

「ああ。俺には、あんたがいてくれるんだろ?・・・だったら、もういい」

「・・・夾くん」

「すずの親に会ってから、一人で考えた。子どもに幸せでいてほしいって言葉。・・・たぶん俺の母さんも、そう思ってくれる人だったから」

「うん・・・」

「父さんとも話したんだ。そしたら、全部は許せないけど、父さんは父さんで、責任感じてくれてたってわかって・・・だから、・・・」




そう思えたのが嬉しい。
許せないことはある。
やるせない思いも。

それでも。
前を向く勇気を持てたことが嬉しい。




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