戦国ゴーストと妖退治
作戦
「ひどい・・・」
夾くんと合流して、一番ニュースになっている場所に向かう。
そこは、まるで地獄のような酷いありさまだった。
車が路上でぶつかりあい大破し、その車体はメラメラと燃えている。
あちこちで悲鳴が上がり、人々は逃げ惑う。
パトカーや救急車のサイレンの音が鳴り響き、そこはまるでアクション映画のような現実味のない光景だった。
「・・・こんな事」
許せない。
信長さまの言うように、町には妖が溢れ、人の悲鳴の多いところに特に生まれている様だった。
「くそ・・・っ」
夾くんが苦しそうに拳を握る。
「瀬名。刀をよこせ」
「・・・信長」
「お前は、決めたのだろう。俺に任せると」
「・・・わかってる」
夾くんは持っていた刀を信長さまに差し出す。
本当に、いいのかな?
夾くんはやっぱり自分の手で妖を倒して、あの黒幕のことだって、本当は自分の手で倒したいって思ってるんじゃ・・・。