戦国ゴーストと妖退治


「ふむ。では、行くか」



信長さまが呟くと横たわる私の身体にすっと入っていった。
わ、なんだかすごく不思議な光景。



パチッと私の瞳が開かれ、勢いよく立ち上がる。



「わ、自分の身体が目の前にあって動いてるって、すごく不思議な感じ」

「視界の高さやら、身体の感覚に慣れるまで少しかかりそうだな」



私の顔から、男口調が飛び出してくる。
なんか、うげ。
声は、私の声みたいだし。




「ちょっと!どういうこと!」

「夾くん・・・。信長さまと考えた作戦なの。もしあの妖と対峙することが出来たら私の身体を信長さまに貸して、私の身体で戦うって」

「なんでそんなこと!なんの意味が・・・!」

「勝つため。私には、妖を浄化する力がある。その力を使えば、きっと優位に立てる」

「だからって!生身の身体なんだぞ!なにかあったらただじゃすまないんだよ!」





夾くんはいつにもなく声を荒げる。
私の身体の事を心配してくれてるんだろう。
きっと、反対されるだろうからって、こうなるまで黙ってた。

私はもう、覚悟を決めたから。





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